奈多宮(なだぐう)は、大分県杵築市に鎮座する神社である。旧社格は県社。八幡奈多宮(はちまんなだぐう)、奈多八幡宮(なだはちまんぐう)とも呼ばれる。

概要

奈多海岸(国東半島東海岸)のほぼ中央に位置する。宇佐神宮と関係の深い神社であるが、正確な創建の時期は不明である。伝承では宇佐神宮の別宮として、神亀6年(729年)に宇佐神宮大宮司であった宇佐公基により創建されたという。主祭神は比売大神、応神天皇、神功皇后。

宇佐神宮の旧神体とされる木造僧形八幡神坐像と2躯の木造女神坐像の三神像を収蔵しており、これら三神像は国の重要文化財に指定されている。このことが示すように当社と宇佐神宮との関係は深く、かつて宇佐神宮で行われていた6年毎の行幸会では、新しい神体の薦枕が宇佐宮本殿(上宮)に納められると、上宮の古い薦枕は宇佐神宮の御炊殿(下宮)に納められ、下宮の古い薦枕はいったん奈多宮に納められた後、海に流されたとされる。

また、中世においては豊後国守護の大友氏との関係が深く、八幡奈多宮の大宮司・奈多鑑基は大友氏の寺社奉行となり、その娘奈多夫人は大友義鎮(宗麟)の正室となって、嗣子の大友義統を生した。

奈多海岸の沖合約300mにある市杵島という小島は八幡奈多宮の元宮である。比売大神は、最初、市杵島に降臨したと伝えられており、岩礁の上には小鳥居が建てられている。この鳥居は2020年9月に台風10号のため流失したが、年内に再建されている。

沿革

  • (伝)神亀6年(729年) - 宇佐公基により創建。
  • 永延2年(989年) - 一条天皇より、「日本最上八幡初中後廟」の額を賜る。
  • 慶長元年(1596年) - 慶長豊後地震の津波によって社殿及び古記録を喪失する。
  • 寛永4年(1627年) - 細川忠興により社殿が再建される。
  • 明治14年(1881年) - 現在の本殿を造営。

文化財

  • 重要文化財(国指定)
    • 木造僧形八幡神坐像(1躯)・木造女神坐像(2躯)
  • 大分県指定有形文化財
    • 八幡宇佐宮御託宣集
    • 八幡縁起(4点)
    • 八幡奈多宮縁起箱
    • 奈多宮木造神像(6躯)
    • 大太刀
    • 陣道面
  • 大分県指定無形民俗文化財
    • 奈多宮の御田植祭
  • 杵築市指定重要文化財
    • 楼門

脚注

外部リンク

  • 八幡奈多宮
  • 奈多・狩宿海岸 杵築市観光協会

鬼と仏の国東半島めぐり:奈多宮

豊臣氏の名 八幡奈多宮 (大分県杵築市奈多)

八幡奈多宮の創建 八幡奈多宮 (大分県杵築市奈多)

八幡奈多宮 杵築市 大分県 [たびつく]

奈多海岸・八幡奈多宮 [ Guest HouseKarishuku 狩宿]