牛田八幡社(うしだはちまんしゃ)は、愛知県知立市牛田町宮本14にある神社。社格は旧村社。

覆殿と拝殿の間に中殿を設ける社殿配置は極めて珍しいとされる。本殿、覆殿、中殿及び袖廊、拝殿が登録有形文化財。

祭神

  • 誉田別尊(ほんたわけのみこと)

歴史

鎌倉時代の建久年間(1190年-1199年)、源頼朝の目代が猿渡川の南側に城を築いた際、現在地に鎌倉の鶴岡八幡宮から勧請して祀ったのが起源とされる。

元禄8年(1695年)には泉蔵寺の住職が八幡大菩薩像を神殿に安置し、牛田八幡社は泉蔵寺の守護神という扱いだった。

かつての三河国碧海郡牛田村にある。隣接する来迎寺村には寛政年間(1789年-1801年)まで村社は存在せず、牛田八幡社を氏神として祀っていたが、その後来迎寺を氏神にしたとされる。

境内

旧東海道の南側に位置する。境内の南側から順に、拝殿、中殿及び袖廊、本殿と本殿を覆う覆殿が一列に並んでいる。中殿及び袖廊、覆殿を築地塀が囲んでいる。

  • 本殿 - 江戸時代中期竣工。一間社流造、杮葺。松と鶴の彫刻を有する。知立市最古の神社本殿。
  • 覆殿 - 安政3年(1856年)竣工。三間社入母屋造、桟瓦葺。平入、一間向拝付。西三河地方の神社には本殿を風雨から守る覆殿が多いとされるが、本殿形式の覆殿は珍しいとされる。
  • 中殿 - 1909年(明治42年)竣工。入母屋造、妻入、桟瓦葺。桁行三間、梁間一間。正面の東側に波と龍、西側に竹と虎の彫刻を有する。両脇には神饌所と神具庫を備える袖廊を有する。覆殿と拝殿の間に中殿を有する配置は極めて珍しいとされる。
  • 拝殿(神楽殿) - 1882年(明治15年)竣工。入母屋造、桟瓦葺。平入。桁行三間、梁間三間。正面と側面には竹や牡丹と獅子の彫刻、正面中央の虹梁には雲と双龍の彫刻を有する。
  • 築地塀 - 文久3年(1863年)竣工。
  • 手水舎 - 1899年(明治32年)竣工。
  • 社務所 - 1926年(大正15年)竣工。

摂末社

  • 境内社 - 1983年(昭和58年)建立。
    • 祇園社 - 祭神は素戔嗚尊。もとは字東裏。
    • 社口社 - 祭神は猿田彦尊。もとは字社口。
    • 稲荷社 - 祭神は倉稲魂尊。もとから本社境内にあった。
    • 稲荷社 - 祭神は倉稲魂尊。もとは新池。
    • 山神社 - 祭神は大山祇尊。もとは東組中。
    • 山神社 - 祭神は大山祇尊。もとは西組中。
    • 山神社 - 祭神は大山祇尊。もとは西教寺本堂内。
  • 清霊社 - 1962年(昭和37年)建立。

文化財

登録有形文化財

  • 本殿 - 2024年(令和6年)3月6日登録。
  • 覆殿 - 2024年(令和6年)3月6日登録。
  • 中殿及び袖廊 - 2024年(令和6年)3月6日登録。
  • 拝殿 - 2024年(令和6年)3月6日登録。

年中行事

  • 1月 新年祭
  • 3月 祈年祭
  • 5月 清霊社祭
  • 7月 新年祭
  • 10月 例大祭
  • 12月 新嘗祭
  • 12月31日 厄払祈願祭

現地情報

所在地
  • 472-0007 愛知県知立市牛田町宮本14
交通アクセス
  • 名鉄名古屋本線牛田駅から徒歩10分

脚注

外部リンク

  • 牛田八幡社本殿 文化遺産オンライン

牛田 八幡社 しーさんの尾張通信 2

野田八幡宮公式サイト 刈谷市内最古の神社野田八幡宮

八幡社

牛田八幡社覆殿 文化遺産オンライン

牛田八幡社 知立市/愛知県 Omairi(おまいり)